スプレーを噴霧する女
今日は客先からの移動に名古屋市営地下鉄の鶴舞線に乗った。
今日は微妙な気温だったらしく冷房は止まっていた。私の隣には大きな鞄を3つも抱えた20代後半のおねーさんが座って雑誌を読んでいた。私はドアそばの端の座席に運良く座れていた。
列車は赤池方面から上小田井方面に向かっていた。
少しうとうとしていたところ、杁中あたりで女子大学生がどっと列車に乗ってきた。
車内がざわつき、エアコンが止まっているせいか車内の温度が上昇し始める。
そんな雰囲気を半覚醒状態で感じていたところ、顔に汗を感じたので手持ちのハンドタオルで拭いた。
すると隣のおねーさんが鞄の中をゴソゴソし始め、何かを探し始めた。
列車が荒畑を過ぎ、そろそろ鶴舞にさしかかろうとしたところ、隣のおねーさんはおもむろに鞄の中から何かのスプレー(制汗剤?)を取りだし、おねーさんの目の前の誰もいない空間に向けそのスプレーを「しゅーしゅーしゅーしゅー」と噴霧した。
私は「何をしでかすのか?」とぎょっとしたまま目を見開き、前方の風景を見ることしか出来なかった。
おねーさんは何事もなかったのようにスプレーを鞄にしまい。また雑誌を読み始めた。
周りの乗客を見ても「何だ?何だったんだ?」という感じの人が多数。
先ほどからうるさくしている女子大学生もしーんとしてしまった。
いやはや只のスプレーだったから良かったが、これが毒ガスだったりしたら。
そんな考えが頭をよぎり、背中にイヤーな汗をかいた一幕でした。
その噴霧おねーさんは伏見でさっさと降りて行きました。
一体何だったんだろう?